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人材派遣を始めるには
派遣事業を始めるには、通常の開業とは異なり会社設立に加え、厚生労働大臣の許認可を得る必要があります。
そのためには、一定の要件をクリアし許認可申請を行なうことになります。
また許認可申請が受理され許認可証が 発行されるまでには2〜3ヶ月の期間がかかります。つまり会社を作っても営業ができない期間が出てしまうことを 知っておいてください。
更に事業開始後も雇用関係・労働者派遣契約等において特殊な形態をとるため、管理全般においても特に注意 が必要となります。
     

偽装請負に注意

@「偽装請負」とは

「偽装請負」(=「労働者供給」)とは、いわゆる「人貸し」です。

労働力を必要とする会社(発注主)から依頼を受けて、請負会社が雇用する労働者を貸出し、発注主の指揮命令下におくことを言います。

実際に働く職場の使用者でない第三者(請負会社)が職場と労働者の間に介在して、いわゆる「ピンはね」(中間搾取)が行なわれています。

「ピンはね」は、言うまでもなく労働者の権利を著しく損ない、労働条件を低下させることから禁止されています。

職業安定法44条では「労働者供給事業」として禁止され、また、労働基準法6条では「中間搾取」として禁止されています。

雇用の原則は直接雇用です。雇用主以外の者が指揮命令を行なうことはできないというのが原則です。

しかし、1986年に労働者派遣法が施行され、労働者派遣制度による場合のみ、例外的に自己が雇用する労働者を他人の指揮命令下に置くことが認められ、直接雇用の原則の例外である「間接雇用」が合法化されました。

本来の「請負」や「業務委託」は、会社として請け負った仕事を自社の労働者に行わせるわけですから、そこで働く労働者に指揮命令するのは請負会社の管理者ということになります。

しかし、「偽装請負」は、労働者派遣制度によることなく、会社同士が「請負契約」や「業務委託契約」を締結し、自己の雇用する労働者を他人の指揮命令下に置き、労働者派遣と同じ形で働かせています。

「請負」と称して、労働者を他者の指揮命令下に置いてピンはねする、いわゆる「偽装請負」は許されないのです。


A「偽装請負」拡大の背景

戦前に多く見られた「ピンはね」は、職業安定法の制定とともに、同法44条に「労働者供給事業の禁止」が定められ、撲滅が図られてきました。

ところが、1960年代の後半にアメリカから日本に上陸した派遣事業は、1970年代になって秘書・受付・テレックスオペレーターなどの業務を中心に拡大し、「事務請負サービス」などと呼ばれました。まさに、事務労働に広がる「偽装請負」の誕生でした。

厚生労働省(当時:労働省)は、1979年になって初めて「職業安定法に違反する労働者供給事業が拡大している」と認識し、調査に乗り出します。

しかし、時すでに遅く、すでに事務労働を中心に拡大してしまっていた「偽装請負」の実態を追認する形で、1985年「労働者派遣法」成立、1986年「労働者派遣法」施行により、「偽装請負」(職業安定法違反の労働者供給事業)の一部が合法化されていきました。この時点で労働者派遣法が認めていたのは、高度な専門性を必要とする一部の業務についてのみでした。

しかし、バブルがはじけて以降、業績の悪化により目の前の問題に追われ、長期的方針を持てなくなった経営者は、長期雇用による技術の継承という経営方針を捨て去り、「より安い労働力」「雇用調整しやすい労働力」を求める傾向が強くなりました。リストラとアウトソーシングを繰り返し、雇用責任を回避し、雇用調整を安易に行なえる「間接雇用」に労働力を求めました。そして、労働者派遣が認められていない業務(製造業務など)については、請負会社に「人貸し」を依頼する傾向が加速し、それが「偽装請負」として急速に拡大していきました。

1990年代後半に入ると、労働法の規制緩和がそうした流れに拍車をかけました。労働者派遣法においては、労働者派遣を行なってもよい業務の規制緩和が行なわれ、1999年の原則自由化、2004年の製造業務解禁の流れにつながっていきます。

しかし、「偽装請負」は、労働・社会保険の未加入や時間外割増賃金の不払い、有給休暇の未付与などの違法行為や労働者の無権利状態を前提に、請負料金の単価を低く抑えて拡大してしまったため、労働者派遣制度の製造業務解禁以降も、さまざまな労働者保護が定められている「派遣」への移行は進まず、相変わらず多くの会社が単価の安い「偽装請負」を活用しています。



B「偽装請負」の相談事例

全国ユニオンには、「偽装請負」で働く仲間から、労働・社会保険の未加入、時間外割増賃金の不払、年次有給休暇の未付与、安全対策の不備による労災事故、長時間労働による過労など、たくさんの相談が寄せられています。

〜非正規労働者ホットライン(2006年2月2〜4日)報告から〜

【相談1】偽装請負 男性 システムエンジニア

派遣でなく請負契約になっている。雇用主と仕事先の間にもう一社業者が入っている。日々の長時間サービス残業がつらい。残業手当は一切払ってもらえない。

【相談2】偽装請負 男性 Bフレッツの営業

実際は二重派遣だが、偽装請負でBフレッツの営業の仕事。2ヶ月契約で働き始めたが、1ヶ月で「解雇」。雇用契約書もない。監督署に相談したが、「契約書の書面がないと動けない」とのこと。給与から「安全教育費」という名目で1日200円引かれ、振込手数料も引かれる。

【相談3】偽装請負 男性・37歳 事務機器の修理 日給8000円

1年契約の更新で5年近く働いている。雇用保険も社会保険も入れてもらえない。同僚も同じ。今年に入って会社と話をしたら、「加入する場合は、さかのぼって掛け金を負担してもらう」「法律違反はわかっている。裁判でも何でもやってくれ」と言われた。

【相談4】パート→個人事業主 女性 物流

週35時間のパートで採用された。雇用保険は加入してくれたが、社会保険は加入してくれなかった。昨年11月から30人全員(パートも社員も)、一方的に「個人事業主」として請負契約を結ばされ、雇用保険も解除された。契約変更後も仕事内容は全く変わらない。

【相談5】個人事業主 女性・20代 編集業務 勤続1年半

月〜金、1日8時間。時給制のアルバイトだが、個人事業主(フリーライター)という扱いで、雇用保険、社会保険、有給休暇もなし

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